前立腺肥大症や、AGA(男性型脱毛症)の治療に使われる薬で、発毛・育毛効果がフィナステリドよりも効果が高いってんで、AGAクリニックでも人気ですね。
日本での発売は、前立腺肥大症の薬としては「アボルブ」の名前で、AGA治療薬としては「ザガーロ」という名前で、グラクソ・スミスクラインというイギリス系の外資系企業が2016年に発売しました。
なお、AGAの方の正確な効能効果は「男性における男性型脱毛症」。フィナステリドの「男性における男性型脱毛症の進行遅延」より"強め"の表現になっています。
AGAの原因
ジヒドロテストステロンDHTという物質は髪の毛の成長期を短くしてしまいます。そのため、AGAでは髪の毛が十分に成長する前に退行期に入ってしまい、次第に細く、短い髪の毛が増えます。
作用は?
ザガーロは、男性型脱毛症(AGA)の原因の一つと考えられるジヒドロテストステロンをテストステロンから転換させるⅠ型およびⅡ型の5α還元酵素をともに抑えます。
それにより、ヘアサイクルが正常に近づくので、髪の毛がより太く、長く育ちます。
どれくらい効果あるの?
日本の臨床試験では、世界のAGA標準薬、フィナステリド1㎎(1日当たりの標準摂取量)と比較すると、デュタステリド(ザガーロ)0.5㎎の方に高い発毛・育毛効果が認められました。
(1)目に見える範囲の髪の毛を増やす効果=発毛効果はフィナステリドもありましたが、それよりも高い効果がザガーロには見られてます。
このグラフ記載の変化量、"89.6"と"56.5"を使って、「デュタステリドの方がフィナステリドよりも約1.6倍(≒89.6÷56.5)効果が高い」と説明する病院もあります。
(2)さらに、髪の毛を太くする育毛効果でも、フィナステリドよりもデュタステリドの方が高いという結果が出ました。
どれくらい飲んだら効果が出るの?
効果は3か月で出る人もいますが、目安はフィナステリド同様に6か月です。
なお、効果が出たと服用を止めてしまうと、再び髪の毛が元に戻ってしまうとのことです。
安全?
発売前の臨床試験(実際の患者での試験)では、全体として2割近くの副作用が出ました。
フィナステリド同様に、性欲減退(リビドー減退)、勃起不全が多いです。
2割とはずいぶん高いなあと思ったんですが、この試験ではフィナステリドも2割に起きています。実際フィナステリドは1%前後とするAGA病院が多いですから、この試験ではずいぶん多めに出てますね。
ちなみにプラセボ(成分の入ってないニセ薬)でも15%の人に副作用が出てるから、よっぽど性欲減退と聞くと"その気"になっちゃう人がいるんですな、この手の薬は。
絶対に避けないといけないのは、女性に触らせたりもしないこと。皮膚から成分が吸収されて、お腹の中の胎児の生殖器官などの正常な発育に悪影響を及ぼす危険があります。
飲んでから6か月間は、献血もしちゃだめです。
と、色々注意事項がありますので、必ず医師に相談してください。
どうやって使う?
ザガーロ0.1mgまたは0.5mgのカプセルを1日1回、飲みます。
いつ飲んでも構いません。朝でも昼でも夜でも、食前でも食後でも効果に違いはありません。
6か月飲んで効果が見られないときは医師に相談してください。
治療費はどれくらいかかる?
AGAクリニックでは8千円~1万円で処方してくれるところが多いです。
クリニック名 | 治療費(税込) |
湘南美容クリニック | 8,200円(1回目だけ4,800円) |
AGAスキンクリニック | 8,856円(1回目だけ5,184円) |
メンズヘルスクリニック東京 | 10,260円 |
メンズサポートクリニック | 10,800円 |
なお、プロペシアが6-7千円、フィナステリド錠で4-5千円という所が多いですから、フィナより少々高いですね。
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