ヘアサイクルってご存知ですよね。毛髪は、2~6年の”成長期”でどんどん太く長くなり、数週間の”退行期”で抜けていき、数か月の”休止期”を経て、再び”成長期”へというサイクルを繰り返しているってやつです。
この休止期にある毛の組織=毛包には一切毛がない(時期もある)そうなんですが、毛を作る”工場”は残っています。でも毛がないのでそれが”工場”だとは見ても分かりません。
これが自毛植毛とどう関係するかというと・・・。
メスで後頭部の頭皮を切り取り移植する毛を採取する施術=FUTの場合、顕微鏡で見ながら切り取った頭皮を毛包ごとにさらに切り分けていくんですが、その時、休止期にある毛包を見逃してるんじゃないの(毛がなくて見えないから)?それもったいなくない?ってなことが話題になってるそうで。
自毛植毛の世界的権威、コロンビア大学医学部教授、バーンスタイン氏が説明してくれています。
FUTによる自毛植毛では、何%の休止期の移植株が使われることなく捨てられる?
2005年7月14日
In an FUT Hair Transplant, What Percentage of Telogen Phase Follicles in Donor Strip are Wasted?
質問
植毛手術で後頭部の頭皮を切り取り、顕微鏡下でその頭皮から移植株を切り分けられる時、休止期の毛髪組織は見えないため、およそ15%の株がムダになっているという記事を読みました。どう思われますか?
回答
ヘアサイクルにおける休止期はだいたい3か月で、12%の毛包がこのサイクルにあります。この3か月の内、毛髪がまったくない期間は半分の1.5か月くらいと考えられます(人によって大きく違います)。なので、およそ6%の毛包は毛髪がない”空(から)”の休止期にある可能性があります。
毛包の約15%は1本毛です(もちろん個人差は大きいですが)。もし6%の毛包が”空の休止期”にあるなら、15%x6%=0.9%≒1%の1本毛の毛包は毛がない”空”の休止期にあるので、これらは株分けの時、見落とされるか切り取られてしまうかする恐れがありますね。
「1%」ならそれほど大きな割合ではありません。しかし、残りの5%(上の6%引く1%=5%)の”空”の毛包が重要です。それらは2~4本毛の大きな毛包だからです。
もしこうした大きな毛包が小さく切り取られてしまう場合(高密度植毛=“デンスパッキング”ではよくありますが)、はるかに多くの毛包が無駄に捨てられるリスクがあります。
私の場合は顕微鏡下での株分けの時、毛包の周囲にある組織を残しますので、そのリスクはないはずです。
要するに、”高密度植毛”(デンスパッキング)のために移植株の周りにある組織を取り除きすぎると休止期にある目に見えない毛包を見落としてしまうだけでなく、移植株が乾燥したり温まったりして不必要なダメージを受けるリスクが高まる事には注意する必要があるでしょう。
ということで、デンスパッキングとかメガセッションとかで、移植する株をきれいにトリミングするような手技をしていると、いろんな意味で”フサフサ”にマイナスだよ、ってことですね。
ちなみに、日本でも移植株の生着率が100%を超えると宣伝している評判の自毛植毛クリニックがありますが、ここが言っているのも
でした。ただ、大きく違うのはこのクリニックはMFUという、このコロンビア大学教授に言わせると、
方法を採っているところでしょうか?どっちがいいんでしょうか?医師に聞いてみてください。
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