AGA治療の標準薬であるフィナステリドに関して最も心配なのは副作用って人もいると思います。それに関してアメリカではマスコミが大騒ぎしていました。ポストフィナステリド症候群って聞いたことあるでしょうか?
それって何?ってことは、詳しくはコチラの記事に書いていますので、ご覧ください。
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ポストフィナステリド症候群についてアメリカの医師の見解
AGA治療薬、フィナステリド(商品名プロペシア)の副作用は、色々言われてますけど、結局今どうなっているんですかねえ。 「存在する」事の証明は一向に進んでおらず、「存在を否定する」臨床試験、調査結果は出 ...
簡単に説明しますと、
と、アメリカのジョージワシントン大学の学者が発表。ただ、あまりにずさんな調査方法だったので、医学界は、
で終わるところだったのに、マスコミがこれをセンセーショナルに報道した結果、話がどんどん大きくなって、FDAでさえ動き出す羽目になったという騒動の事です。
という風に素人目には見えますなあ、色々文献を読みましたけど。
実際には現地アメリカの医師はどう捉えているのでしょうか?コロンビア大学教授で毛髪再生医療の権威、バーンスタイン氏の見解を紹介します。
ポスト・フィナステリド症候群の最新情報は?
2012年11月5日
What is Latest Information on Persistent Side Effects from Finasteride?
質問
フィナステリドについて治療を止めた後も続く副作用があると聞いたことがあります。その件について最新情報を教えてください。
回答
これまで2年間にわたってフィナステリドの副作用についての国際毛髪外科学会の特別部会のメンバーとしてこの問題を解明しようと努力してきました。今のところ、どうやら、我々が医師として日常の診療で見てきた比較的発生率の低い副作用と、公表されている信頼に足る臨床試験が証明したことと、インターネットやその他メディアで報道されていることとの間に、どうやら大きな差があるようです。例えば、2012年の日本皮膚科学会で発表された佐藤による3,177人の日本人男性を対象とした調査では、フィナステリド1mgの副作用は0.7%、治療中止後も解消されない副作用は1軒もありませんでした。
とは言え、今でも続々とフィナステリドによる副作用や、治療中止後も続く副作用(通称“ポストフィナステリド症候群”)が報告されています(ので今後も注視する必要があります)。
FDAの見解について
2012年4月の性的な機能不全に関する販売後報告に基づき、FDAはプロペシア(フィナステリド1mg)の添付文書を変更し、性的副作用の欄を拡充、その内のいくつかは服用中止後も続くと報告されていると発表しました。
留意すべき点は、この副作用を評価するため新たに検証された試験・調査は一つもないし、そうした副作用を評価し、原因と持続期間を見定めるために実施された新たな臨床試験をFDAは一つも認識していないという事です。
FDAの言っているのは、フィナステリド(商品名プロペシア、プロスカー)と性的副作用との間の明確な因果関係はいまだ証明されてはいないけれども、実際は以前報告された以上に様々な副作用が存在することが示唆されるということだけです。
FDAはまた、フィナステリドは安全で有効な治療薬であると信じているけれども、医療機関関係者や患者に対して、最良の治療法を決める時、この新たな記載を少しでも考慮して欲しいとも言っています。
症例報告を解釈するのは非常に難しいですが、次の2点を考慮する必要があります。
まず第一に、性的な機能不全は、それが一時的なものであろうと持続的なものであろうと、一般的には非常にありふれたものであり、薬とは何ら関係のない原因で性的な機能不全が起こる可能性はあります。
次に、治療によって実際に副作用が起こり、そのことによって心理的に影響され、副作用が長く続く可能性があります。こうした心理的な影響を排除することは非常に困難です。
国際毛髪外科学会の見解について
2012年の国際毛髪外科学会でのフィナステリドシンポジウムでは、私はパネリストの一人でしたが、フィナステリドの安全性について議論されました。
そこでは、佐藤明夫医師が、ご自身の臨床データを発表し(上で触れたものです)、フィナステリドの副作用は"まれ"であり、治療中止後も続く副作用は発現していないと言っていました。
泌尿器科の専門医であり、国際毛髪外科学会のゲストスピーカーだったフリーランド医師は、血中エストロゲンが若干上がることで引き起こされる長期的な影響により泌尿器に関連する副作用が起こる可能性はないだろうと発言しました。
またシンポジウムではジョージワシントン大学のマイケルIrwig博士の2012年にThe Journal of Sexual Medicineで発表した文献について議論されました。それによると、フィナステリド服用中止後3か月以上経過した後も続く性的な副作用の発症した54人を調べた所、大多数の患者はその性的な機能不全が数か月から数年単位で持続しているとのことでした。
この調査の解釈に困るのは、まず第一に、患者の性的機能不全は、フィナステリドが副作用の原因であるとは判断できないのに(そのためには偽薬との二重盲検比較試験が必要です)、フィナステリドが原因であると決めつけている点です。
さらに、Irwig氏の調査では患者選びが意図的だったため(最初から副作用の出た患者を選んでいる)、その患者が一般的な、"フィナステリド服用者"を代表する人たちと言って良いのか疑問です。
とは言え、Irwig医師によって発表されたデータは、フィナステリドが広く使われているだけに、考えうる副作用をもっと明らかにすることが重要だとしています。
シンポジウムでの各自の発表とそれに対する質疑を見ると、まだまだこの問題は未解決のままであるという事は明白でした。このシンポジウムの参加者は全員、さらなる調査が至急必要であるという点で合意しました。端的に言うと、副作用を経験しているすべての患者がこの分野で専門知識・技能のある医師を見つけることができ、正しく診断され、治療されることが最も重要だという事です。
こうした意見を読むと思うのは、これは「悪魔の証明」だなってこと。つまり、存在することを証明するのではなく、存在しないことを証明しろと言われてるわけです。ムチャクチャですな。UFOだって存在しないことを証明しろとは言われないのに。
しかも、下手すると、証明したとしても「何か隠している」、「企業とつるんでいる」といった陰謀論みたいな噂がずっと付きまとう始末。
これを逆手に取ると、何の論証にもなっていないクソみたいなことを思いついたやつが、目立ちたいがためにマスコミを巻き込んで騒ぎ立てても誰にも咎められない!なんてことになりかねません。
普通の企業だったら「アホっ!」て切り捨てられるところ、この手の話ではヘタすると『不都合な真実』を告発した英雄になれるんです。アホらしっ。
なお、日本では2017年2月現在、類似事象の報告はありません。心配ならAGA病院のお医者さんに聞いてみてください。
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