世の中AGAクリニック(=薄毛治療専門病院)ばやりです。
潜入取材でAGAクリニックに行こうと予約をとろうとしても「1か月待ち」なんてことも。
とは言え、世の中を見渡せば、まだまだ育毛剤や育毛シャンプーで薄毛ケアしている人の方が多数派。
実際、僕もAGAクリニックに行くまでは、10年以上、育毛剤に一縷(いちる)の望みを賭けてましたので、そうした人の気持ちは痛いほど分かります。
そこで、AGA治療に興味はあるけれど半信半疑な人のために、僕が20カ所以上のAGA病院で効果や副作用など根掘り、葉掘り聞いてきましたのでご紹介します。
そもそも、薄毛の原因は?
AGAクリニックに行った時、まず根本的な認識違いから正されました。
薄毛は色々な原因で起こります。頭皮の皮脂とかフケとか、ポニーテールのように年中引っ張っていると薄毛の原因にもなりえます。
でも、最も大きな原因は「男性ホルモン」と「遺伝」だそうです。
そんな素人(しろうと)考えを、医師にぶつけた所、
みなさん、ほぼAGAだそうです。
AGAの原因は?
AGAとは?
ご存知の方も多いと思いますが、一応説明しますと、よく薄毛になると、抜け毛が増えますよね。しかも細くて短い抜け毛が増えませんか。
あれがAGAの典型的な症状です(「軟毛化」とか「ミニチュア化」と言われます)。
その結果、抜けて毛髪の数が減るだけでなく、細くて短くなると体積が減りますので目に見えてボリュームがなくなります。例えば私が医師に言われたのは、
DHTのせいで髪が太く長く育つ前に抜ける
こうしたAGAの症状は、DHT(ディヒドロテストステロン)という男性ホルモンの代謝物が"悪さ"をして起こります。
人間の毛髪は、2年から6年の周期で、毛が育つ「成長期」→毛が抜ける「退行期」→毛が生えてこない「休止期」という3つのサイクルを繰り返しています。
この成長期が極端に短くなっているのがAGAの特長で、この成長期を短くし、毛髪が太く長く育つのを邪魔する物質がDHTです。
このDHTが毛根にくっつくと、毛の細胞(毛母細胞)が「毛、成長するの止めちゃいなよ!」という指令をを出すと言われています。
DHTが悪さをするかどうかは遺伝で決まる
DHTはテストステロンという男性ホルモンから作られるので、誰でも、特に男性はたくさん持っています。
でも、男性全員が薄毛という訳ではありませんよね。
それは、DHTだけではなく、「遺伝」が重要な役割を果たしているからです。
DHTの「作られやすさ」や、先ほどDHTという物質が毛根にくっつくと「薄毛になれ!指令」が発令されると言いましたが、その指令の「出やすさ」には個人差があり、まさに「遺伝」が関係しているという訳です。
ここで一旦まとめます。
超簡単にまとめると・・
男性ホルモンから作られるDHTという物質が、遺伝の影響で「毛、育つな!早く抜けろ!」という指令を出すため、ボリュームがなくなり、薄毛になる。
これが、世界の医学界で研究され判明した「事実」、共通認識です。
病院でのAGA治療に効果がある理由
今、世界中でAGA治療に使われている大ヒット治療薬、それがプロペシア(成分名フィナステリド)。
プロペシアが遺伝子を変えるわけではない
薄毛に効果があるという話をすると、
と言う人がいますが、おっしゃる通りで、プロペシアでも遺伝的な素養は変えられません。
でも効果があるんです。
それは、遺伝により引き起こされる、薄毛の反応を止められるからです。
薄毛・AGAを根本的に抑えるプロペシア
先ほどAGAの発症メカニズムの説明の所で、「DHTが毛根の細胞にくっつくとAGAが発症する」という話をしました。
このプロペシアという薬は、そのDHTというAGAの原因物質自体を作らせません。
下の絵を見て下さい。DHTというのは男性ホルモンから作られるんですが、この男性ホルモンからDHTという物質に変換する酵素(=5αリダクターゼ)を、プロペシア(成分名フィナステリド)がスゲー邪魔して作らせないようにするんです。
プロペシアの効果98%
AGAの原因物質自体を作らせないんですから、その効果は絶大。
開発元のMSD製薬という会社発表の臨床試験では、98%の人にAGA抑制効果を認められています。
「98%」は高すぎて、ちょっと信じられないかもしれませんが、実際に20か所以上の病院を回って医師に聞いたところ、
AGA治療の限界
僕もそう思いました。そこで色んな医師にしつこく聞いてみました。
AGA治療の効果とは「AGAの進行抑制」
「なーんだ、進行を止めるだけか。大したことなさそう・・・」。
と思うかもしれませんが、
というのは先ほども話しましたね。AGAで髪の毛の太さや長さが7掛けになってたら、元に戻るだけでボリュームは約3倍!です*。
*ボリュームは「体積」だから0.7掛けという事は、0.7x0.7x0.7=0.343にまでボリュームダウン。つまり元に戻れば約3倍になります。
現代医学でもまだ「生やせない」
「失った毛」の定義にもよりますが、毛穴が死んでしまったところに毛を生やすことは、現代医学をもってしても、できません。
「毛穴が死ぬ」というのは、毛穴が「ヘアサイクルを終えてしまった」という事です。
先ほども説明した通り、毛髪は「成長期」→「退行期」→「休止期」という3つの期間をぐるぐる繰り返しています(=ヘアサイクル)が、永遠に繰り返すわけではなく、だいたい40回から50回が限界と言われています。
で、「死んでる毛穴」というのはこのサイクルが「40回まわり終えた」という事です。
普通は、1サイクルが2年~6年なので一生かけても40回まわり終えることはないですが、AGAの人はサイクルが短くなってます。
例えば、サイクルが半年になってれば、半年×40回=20年、1年なら40年、AGA発症から時間がたつと毛穴が寿命を迎えることになります。
それでも、毛穴ごと移植する自毛植毛なら薄毛を克服することはできますが、「自力」で生やすことにこだわるなら、今の所、「打つ手」はありません。
なるほど、と思いつつ、まだ100%納得してなかったので最後にもう一回聞きました。
病院で治療しない人の方が圧倒的に多い
みなさんの周りで、実際にAGA治療をしている人はどれくらいいます?
30~69才の一般男性800人に聞いた製薬会社のファイザーのアンケート調査では、「薄毛を気にしている人」の中で、「病院で相談・治療したことがある人」は3.6%*でした(下グラフ:2.4%+1.2%=3.6%)。
つまり、100%-3.6%=96.4%の人は病院に相談したことさえないんです。
「効果があった・なかった」を論じる以前の問題。
そりゃあ、世の中から薄毛がいなくなりませんな。
*このアンケートは複数回答可です。そのため「病院(皮膚科など)・・」と「薄毛専門の病院・・」の両方にチェックを入れた人がいるかもしれないので、厳密には「3.6%もいない」可能性があります。
AGA治療薬の副作用
ムチャクチャ気になりますよね。
そもそも、副作用に関しては僕のような素人が語ることではないですが、参考までに色々と調べた事をご紹介します。
まず、製薬会社発表のプロペシア(成分名フィナステリド)の添付文書記載の副作用発現率は「4.0%」とのこと。
「ちょっと低すぎない?」といぶかしく思い、AGAクリニックの専門医にも聞いて回りましたが、僕の行った20ヵ所以上のAGAクリニックでは、
そう言われても「まだ」心配だった僕が納得させられたのは、アメリカのコロンビア大学教授で毛髪再生医学の世界的権威、バーンスタイン医師の説明でした。
元々自然界に5αリダクターゼを持っていない人がいて問題なく過ごしてたのだから、薬でその酵素を押さえた所で問題ないだろうという理屈です。
とは言え、心配な事、納得できない事もあるかと思いますので、お医者さんに相談しましょう。
AGA治療薬の種類
AGA治療薬には、今までお話ししてきたプロペシアだけではなく、
プロペシアの1.6倍の効果があると言われているザガーロ(成分名デュタステリド)や、
リアップの飲み薬版であるミノキシジルタブレット(錠剤)など色々あります。
プロペシアだけなら、近所の皮膚科に行けば処方してくれるところもたくさんあります。そうした所でまずは相談するのも手です。
一方、色々な薬を、一人一人の患者の症状に合わせて処方してくれるAGA治療専門病院(AGAクリニック)もあります。
まあ、ダマされたと思って(ダマすつもりはありませんが)、診察だけでも受けてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ほとんどのAGAクリニックでは、診察は「無料」です。
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【蛇足ですが・・】もし病院に行く踏ん切りがつかないなら
こういう人は多いと思います(僕がそうでした)が、そういう人にはAGAクリニック治療補償のついた育毛剤もアリかもしれません。
4か月で4本使って満足できないなら、病院の治療費を出してくれるそうです(ホントかよ?)。
病院に行く前に、育毛剤に最後の望みをかけたい人にはいいかもしれませんね。
なお、定価は高いですが、アマゾンなら時々半額(僕が見た時は5,980円)になっているので、そういう時が狙い目です。
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