僕が今まで20以上の病院で診察してもらった経験をもとに、代表的な4つの薄毛治療(AGA治療*)パターン、つまり
(1)AGA治療薬「単剤」処方
(2)AGA治療薬「複数」処方
(3)発毛メソセラピー
(4)自毛植毛
の費用の相場をお話しします。
*薄毛の95%はAGAなので、ここでは薄毛=AGAとしています。
まずは大前提のお話しから。
AGA治療は保険適応外
AGA治療は保険適応外。つまり健康保険が使えません。
まあ、放っておいても身体が害されることはないので、しょうがないのかもしれません(精神はむしばまれますけど・・)。
そのため、ほとんどの皆さんは、普段の医療費は自己負担率3割で済んでると思いますが、AGA治療では10割負担する必要があります。
これは、AGA治療専門病院、つまりAGAクリニックに限った話ではなく、近所の一般病院でも同じ。
もちろん、日本中どこでも10割負担です。
と聞くと治療費が高額になりそうで心配かもしれませんが、「保険適応外」という事は病院が好きな治療費に設定できるという事。
正常な競争原理が働けば、安くもなります。実際、最もポピュラーなAGA治療ではヘタな育毛剤よりも安いです 😛 。
それでは、代表的な4種類の治療パターン別に費用を紹介していきます。
パターン1:AGA治療薬「単剤」処方の費用
近所の一般病院(皮ふ科や心療内科など)でも受けられるほど普及しているAGA治療と言えば、AGAの進行を抑える薬「プロペシア」、または「ザガーロ」という薬の単独処方です。
それでは、プロペシア、ザガーロ、それぞれの治療費です。
プロペシアでの治療の費用
近所の「一般病院」と、薄毛治療専門の病院(=AGAクリニック)で費用が違います。
予想に反して(?)一般病院の方が高いです。
一般病院での費用例
「一般病院」で、初診料、再診料が1,000~2,000円、さらに薬剤費が1か月で9,000円前後です。計1万円前後かかります。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1ヵ月分薬剤費 |
旭川美容外科形成外科(北海道旭川市) | ¥1,080 | ¥0 | ¥8,750 |
志津さくら内科(千葉県佐倉市) | ¥2,160 | ¥0 | ¥9,720 |
かじわら内科泌尿器科(東京都稲城市) | ¥3,200 | ¥0 | ¥8,400 |
はながき皮フ科・形成外科(兵庫県豊岡市) | ¥3,250 | ¥1,250 | ¥9,000 |
中野医院(宮崎県宮崎市) | ¥3,150 | ¥3,150 | ¥10,290 |
AGAクリニックでの費用例
AGA治療専門病院(=AGAクリニック)は、薬剤費は同程度ですが、診察代は無料なので、その分安くなります。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1か月分薬剤費 |
湘南美容クリニック(全国50カ所以上) | ¥0 | ¥0 | ¥6,500 |
聖心美容クリニック(全国9カ所) | ¥0 | ¥0 | ¥10,260 |
今度はザガーロの場合はどうでしょうか?
ザガーロでの治療の費用
ザガーロは、最新のAGA治療薬でプロペシアよりも強力なAGA抑制効果(約1.6倍)があると言われています。
そのため薬剤費はちょっと上がります。
一般病院での費用例
薬剤費が1ヵ月1万円前後、とプロペシアよりも1千円くらい高いです。それに診察代がプラスされるので1万円は超えてきます。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1ヵ月分薬剤費 |
緑の森皮フ科(北海道札幌市) | ¥1,550 | ¥0 | ¥10,050 |
高円寺駅前皮膚科(東京都杉並区) | ¥1,500 | ¥400 | ¥9,000 |
石川泌尿器科(大阪府大阪市) | ¥0 | ¥0 | ¥11,340 |
西南泌尿器科(福岡県福岡市) | ¥0 | ¥0 | ¥9,900 |
AGAクリニックでの費用例
AGA治療専門病院でも、プロペシアよりも高くて、安くても8千円は取られます。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1か月分薬剤費 |
湘南美容クリニック(全国50カ所以上) | ¥0 | ¥0 | ¥8,200 |
聖心美容クリニック(全国9カ所) | ¥0 | ¥0 | ¥12,420 |
いかがでしたか?チョイ高い?
確かに、安い方のプロペシアを選ぶにしろ、AGAクリニックでも月々6,500円はかかりますので、年にすると78,000円。
育毛剤でもそれくらいかかるものもありますが、安くはありませんよね。
そこで、期待されるのが・・・そう、ジェネリック*です。
*特許の切れた薬は他社が「完コピ」できる(=ジェネリック)ので安くなります。
プロペシアのジェネリックの治療費
ザガーロはまだですが、プロペシアにはいくつかジェネリック医薬品が出ています。
一般病院での費用例
1ヵ月の薬代がプロペシアだと9千円前後 → 6千円~8千円に下がります。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1ヵ月分薬剤費 |
旭川美容外科形成外科(北海道旭川市) | ¥1,080 | ¥0 | ¥8,100 |
はながき皮フ科・形成外科(兵庫県豊岡市) | ¥3,250 | ¥1,250 | ¥6,500 |
南森町いしだ皮膚科(大阪府大阪市) | ¥550 | ¥330 | ¥5,900 |
AGAクリニックでの費用例
AGAクリニックになるともっと下がって6,500円 → 3千円/月なんてところもあります。
病院名 | 初診料 | 再診料 | 1か月分薬剤費 |
湘南美容クリニック | ¥0 | ¥0 | ¥3,000 |
聖心美容クリニック | ¥0 | ¥0 | ¥5,940 |
パターン2:AGA治療薬「複数」処方の費用
AGAクリニックに行くと一般病院では処方されない薬があります。
ミノキシジル内服薬、通称「ミノタブ」です。
ミノキシジル自体は大正製薬のリアップという育毛剤の主成分として有名ですが、AGAクリニックでは内服薬(飲み薬)を効果が高いとして優先して処方する所が多いです。
そもそものミノキシジルの目的は発毛促進。
ということで、
- プロペシア+ミノキシジル内服
- ザガーロ+ミノキシジル内服
のいずれかの組み合わせを、第一選択治療として薦められるはずです。
肝心の治療費ですが、一般病院では複数薬治療は受けられないので、AGAクリニックだけでの費用となりますが、1~2万円が相場です。
病院名 | 1ヵ月分薬剤費 |
湘南美容クリニック | ¥12,800 |
AGAヘアクリニック | ¥15,500 |
AGAヘアクリニック(ザガーロの場合) | ¥18,000 |
銀座総合美容クリニック | ¥18,900 |
パターン3:発毛メソセラピーの費用
AGA治療専門病院には一般病院にはない、様々な治療法がありますが、代表的なものと言えば「発毛メソセラピー」です。
簡単に言うと、頭髪の薄くなった個所に有効成分(成長因子やミノキシジル、プラセンタなど)を注射する治療法で、AGA治療薬の効果発現を早める効果があります。
また、AGA治療薬で十分な発毛効果の得られなかった人や、どうしても薬を飲みたくないという人に、発毛メソセラピーが単独で行われることもあります。
と聞くと、がぜん興味が高まりますが、その費用はかなり高め。
病院名 | 6回1クール | 1回あたり |
銀座総合美容クリニック | ¥116,640 | ¥19,440 |
湘南美容クリニック | ¥192,000 | ¥32,000 |
聖心美容クリニック | ¥380,160 | ¥63,360 |
ゴリラクリニック(HARG療法) | ¥518,400 | ¥86,400 |
HARG治療センター | ¥900,000 | ¥150,000 |
病院によって注入する有効成分が違うため費用も大きく違いますが、1回当たり19,440円~15万円、一通りの治療(1クール=6回注射)をやろうとすると数十万円かかります。
パターン4:自毛植毛の費用
という場合には自毛植毛です。
「植毛」というとネガティブなイメージを持っている人も多いと思いますが、僕が今まで何人もの植毛手術経験者の人たちにお会いし、植えた箇所を間近でじっと見つめてみましたが、どれだけ見ても植毛したとは全然分からないくらい自然でした。
植えた毛(というか本当は毛穴組織を移植してるんですが)は95%以上生着しますし、生着した毛(というか毛穴組織から)は一生生え続けます(抜けては生えてをずっと繰り返す)ので、”最終兵器”として十分その役割を果たしてくれるスゴい治療法です。
この自毛植毛は「移植手術」なので専門的な知識や技能が必要です。ということで、一般病院では受けられなくて、専門病院に行くことになります。
専門病院と言えば、最大手のアイランドタワークリニック(シェア60%以上)、そこで院長を長らく務めた医師が独立開業したアスク井上クリニック、親和クリニックの両病院、それに、世界的に有名なヨコ美クリニックが代表的です。
そこで、この代表的な病院での植毛手術の費用をご紹介します。
なお、植毛費用は植毛する株数(株=毛穴 / 毛穴一つに約2本毛が生えている)に比例します。そこで、ここでは最も一般的な1,000株(約2千本の毛髪の植毛)の場合を例にとります。
病院名 | 基本治療費 | 植毛費用(1千株) | 総額 |
アイランドタワークリニック | 216,000円 | 1,296,000円 | 1,512,000円 |
アスク井上クリニック | 199,800円 | 1,058,400円 | 1,258,200円 |
親和クリニック | 216,000円 | 972,000円 | 1,188,000円 |
ヨコ美クリニック | 0円 | 864,000円 | 864,000円 |
とびっくりする人も多いと思いますが、アデランスやアートネーチャーなどでかつらを定期的にメンテ、交換する費用を考えたら、十分元が取れます。
それよりなにより、自分の髪が生える感覚がまた味わえるのは何にも代えがたい喜びです。
AGA治療の通院頻度
病院の中には「再診料」を取るところもある(特に一般病院)ので「通院頻度」が気になりますが、どの程度なのでしょうか?
AGA治療薬の治療の場合
多くの病院で最初は副作用が出ていないか確認するため、1か月に1度は病院に来るよう言われますが、3か月目以降は、3か月分~半年分の薬を処方してくれます。
とは言え、病院によっては1か月分しか出さない所もあるので、カウンセリング・診察の時に確認してください。
発毛メソセラピーの場合
一般的には3週間~1ヵ月に1回注射するので、その度に通院する必要があります。
自毛植毛の場合
最大手のアイランドタワークリニックによると、最低、カウンセリングと手術日の2回の来院で済むとか。
問題がなければ行く必要がないんですね。
AGA治療の費用がかかる期間
AGA治療はいつまで続けたらいいのでしょうか?
AGA治療薬で治療した人の場合、一般に2年から3年で生えそろうので、そのタイミングで、薬を減らしたり、やめたりする人が多いそうです。
発毛メソセラピーもそう。
効果が出てもその後、何もしないとまた薄毛が進行するため、定期的に注射するか、薬(プロペシア)を飲む必要があります。とは言え、現実は、生えたら一旦治療をやめて、また薄毛が気になりだしたら治療を再開する人も少なくないとか。
自毛植毛も、植えた毛はほぼ一生抜けませんが、その周囲の毛はAGAの影響で抜ける可能性があるため、それを完璧にケアしたいなら、やはりプロペシアが必要です。とは言え、植毛手術後、何もしない人も多いそうです。
結局は僕らがいつまで気にするか次第ですね。
ちなみに、完璧なケアをしたい人は、プロペシア(またはザガーロ)を飲み続ける必要がありますが、最安値の病院だと湘南美容クリニックなら1ヵ月3千円、年間3万6千円で済みます。
実は、そこら辺の怪しげな育毛剤より安上りでした。
ちなみに、もし病院に行く踏ん切りが中々つかないなら
こういう人は多いと思います(僕がそうでした)が、そういう人にはAGAクリニック治療補償のついた育毛剤もアリかもしれません。
4か月で4本使って満足できないなら、病院の治療費を出してくれるそうです(ホントかよ?)。
病院に行く前に、育毛剤に最後の望みをかけたい人にはいいかもしれませんね。
なお、定価は高いですが、アマゾンなら時々半額(僕が見た時は5,980円)になっているので、そういう時が狙い目です。