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(医師の見解)フィナステリド副作用、女性化乳房の真偽

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フィナステリドの先発品(ジェネリックでない商品)の正規品であるプロペシアの添付文書を見ると、確かに頻度不明の副作用の一つとして「乳房肥大」という文言があります。

それ以上の言及はないので頻度は高くないのでしょうけど、実際僕もAGAクリニックの医師から「胸が大きくなることがある」と副作用の一つとして説明されたことがありました。

そこで、アメリカの医学図書館所蔵のレポートを調べてみると・・・ありました。

インドのInternational Journal of Trichologyという雑誌で発表された情報です。

どこまで信頼できるのか判断がつきませんでしたが、サマリーを訳しときました。

私が会った医師たちよりも少しきつめの脅す感じ。たった2症例でそこまで断言できるかねえ、って感じましたが・・。

 

実例紹介

ここでは具体例として2つの症例が報告されています。

1例目は、21歳の男性。甲状腺機能低下症でEltroxinを服用していました。この人はAGA(男性型脱毛症)の症状があり、フィナステリドを1日1mgを服用したところ、4か月目に女性化乳房の症状が出ました。

すぐにフィナステリドを飲むのを止めて10カ月しても顕著な改善がみられなかったそうです。

なおEltroxinは、副作用で脱毛症があるのでその防止目的でフィナステリドが処方されていたのかもしれません。

 

2例目は65歳男性でAGA治療のためにフィナステリドを服用し始めた所、2か月目に片側の乳房が女性化しました。

こちらは、服用を止めて2か月目で顕著な改善がみられたそうです。ただ6年間の追跡調査でも若干の胸のふくらみが依然として残っていたとのこと。

 

フィナステリドと女性化乳房の関係

この報告書の論旨はこんな感じ。

フィナステリドは5αリダクターゼの2型を阻害することで、テストステロンが活性代謝物であるジヒドロテストステロンに変換されるのを75~80%減らします。ジヒドロテストステロンが減ることでテストステロンからエストラジールやアンドロステンジオンの肝臓や精巣、血液中での変換率を上げると考えられています」。

「エストロゲン(≒女性ホルモン)レベルが上がると性的な副作用を引き起こす恐れがあると考えられます。フィナステリドの大規模な臨床試験でも性欲減退や勃起不全、精液量減少などが報告されているのはご存知の通りです。女性化乳房は、ホルモンバランスが崩れたりする予兆として考えられており、様々な薬が関係するとされていますが、フィナステリドも前立腺肥大症の治療で1日5mg服用した場合で取りざたされてきました」。

 

発生率

この発生率は分かりませんが、1%未満なので、添付文書でもそれほど重視されてないんでしょうね。

 


 

うーん・・

といったところですね。薬との因果関係がはっきりしません。その人は薬を飲まなくても女性化乳房の症状を起こしていたかもしれませんし。

しかもたった2人の症例報告。統計的には何も言えません。

 

なお、アメリカの毛髪再生医療の名医であるバーンスタイン氏はこの副作用らしき事象に関し、ホームページでこう書いています。

バーンスタイン先生

この女性化乳房という症状は臨床試験で0.4%の患者で発現しましたが、この発現率は偽薬(見た目そっくり、中身は小麦粉)を飲んだグループより高いとも言えませんでした。

 

ちなみに、僕は飲んでいて胸が大きくなってはいませんけど、気になる人は医師に相談してくださいね。

 

 

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