（医師の見解）FUTのメスを入れる時のポイント

自毛植毛のゴールデンスタンダード、FUT。薄くなった場所に移植する毛髪組織＝移植株を後頭部から採る時、メスで頭皮を切り取る手技です。

具体的にどうやるのでしょうか？

FUT考案者のアメリカ、コロンビア大学医学部教授のバーンスタイン氏が説明してくれています。

Donor Area

移植株の採取

移植株切除による手術痕を最低限の抑えることは、FUTで非常に重要です。幅の細い、目立たない傷なら、植毛後も（本人が望めばですが）ある程度短い髪形にすることもできますし、次の植毛のために多くの髪の毛を残すこともできます。

FUT法では、手術痕を目立たないようにする方法がたくさんあります。身体に吸収される縫合糸を使うとか、埋没縫合とかトリコフィティック縫合などなど。

頭皮を帯状に切り取るストリップ法が広く行われている理由は、大量の毛髪移植がやりやすいし、毛包組織へのダメージも抑えられるからです。この切り出した頭皮は顕微鏡下で、一つ一つのフォリキュラーユニット（毛髪組織の最小単位／FU）に切り分けられます。

 

手術痕を目立たないようにするために重要なのは次の4つです。

（1）適切な場所を切り取る

（2）切り取る頭皮のサイズを正確に測る

（3）組織にダメージが加わらないように切り取る

（4）完璧な外科的処置で縫合する。

 

順番に説明します。

（1）切除する頭皮（＝ドナー）の場所

理想的な場所は後頭部、側頭部で真ん中あたりです。後頭部を触ると真ん中あたりがボコッと隆起している箇所があると思いますがその上の部分から両側頭部にかけてのエリアになります。このエリアより下から移植株を取ってしまうと、首の筋肉と近すぎて、傷が引っ張られて伸びてしまい、傷跡が目立ってしまう危険があります。逆にこのエリアの上ですと、AGAの影響を受ける髪の毛かもしれないので、AGAが進行するとせっかく移植した毛が抜け落ちる恐れがあります。

 

（2）切除する頭皮の大きさ

切除する頭皮の長さは、植毛する移植株の数によって決められるますが、幅（高さ）は患者の頭皮の柔らかさによって決まります。これは、生まれつきのもので人によって違うので、診察の時に慎重に計測されなければなりません。頭皮が柔らかい場合、少々幅を広げても目立つ傷が残ったりはしないでしょう（柔らかすぎると逆に傷が広がるリスクもあります）。頭皮が非常に硬い場合は、通常幅よりも狭めなければなりません。

しかし、幅が狭すぎると、切除する頭皮は非常に長くなる可能性がありますし、逆に広すぎると太い傷痕になる可能性が高まります。そういう意味では、豊富な経験に基づく専門的な判断があって初めて、適切にドナーの幅や長さを決められ、その結果、傷が目立ちにくくなるということです。

ほとんどの患者さんは1平方センチメートルあたり90－100の移植株を採取できます（注：ヨコ美クリニックによると日本人は70株前後）。なので、2,000株の植毛の場合、ドナーの幅を1cmとすると長さは20cm強必要になります。

FUT法では頭皮が適度に柔らかい方が傷跡も目立たずに効率よく移植株を採取することが出来ます。堅い人は、頭皮を柔らかくするマッサージがあります。1日5分やるだけでも効果があります。
（3）と（4）は麻酔方法や切除のテクニック、縫合方法（トリコフィティック縫合等）についてでしたが、専門的すぎる＋日本の自毛植毛クリニックで紹介が一切なくマイナーすぎる、ということで割愛しました。唯一、トリコフィティック縫合だけはこちらで説明してます。ご参考に。

 

読んでて日本のクリニックが劣ってるところはない気がしました。ここら辺は評判の自毛植毛クリニックでいろいろ聞いた方が良いと思います。

 

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