自毛植毛をやると決めた時、さて悩むのがFUTかFUE、どちらの手技を選ぶかです。評判の自毛植毛クリニックでは「FUE!」と一押しされるところもあるので、「そうかな・・」って気もしてくるけど、どうなんでしょうか?中立な立場の意見を聞きたいものです。
私が色々な医師に聞いた限りでは、
そうですが、どちらが自分に合っているのでしょうか?
参考までに、FUTを考案し、FUEを世界に広めたコロンビア大学医学部教授のバーンスタイン氏の意見を載せておきます。
徹底比較!FUE vs. FUT
1.FUEの強み vs. FUT
(1)後頭部に線状の傷ができない。
なので、刈り上げなど後頭部を短くするヘアスタイルの好きな人や、ケロイド体質の人には向いています。
(2)移植毛を採取した後頭部の傷が治るのが早い。
FUEでは小さな丸い痕がポツポツと残りますが、これはFUTによる線状の傷に比べると治癒する期間が短くて済みます。
(3)術後に激しい運動でも問題なし。
FUTの線状の傷は「手術直後」に激しい運動をすると幅が広がってしまう恐れがあります。FUEの小さな丸い傷は激しい運動でも広がることはありません。
(4)移植毛を採取した頭皮に痛みがほとんどない。
メスで頭皮を切り取りませんので。
(5)手術痕が広がってしまうリスクの高い人には有用。
- 若い人(子供)(成長するため)
- 筋肉質のスポーツ選手
- 頭皮がスゴイ堅い人またはすごく柔らかい人
- ケロイド状の傷がある人や、傷の直りが遅い人
(6)過去の植毛手術の痕を直せる。
例えば、以前FUT法で植毛手術を受けた人で、手術痕が広がってしまい目立っているのを隠したいという場合は、FUEで傷の上に植毛することでカモフラージュできます。
(7)頭皮が硬すぎる人に向いている。
患者が過去に1回以上FUTで植毛したため頭皮が硬くなってしまい、もうFUTができない場合にはFUEが効果的です。
(8)首筋辺りの産毛を生え際やまつ毛として植毛したい場合も対応可。
(9)理論上は、頭髪でなくとも植毛できる。
例えば髭とか体毛です。
2.FUEの弱み vs. FUT
(1)FUEで十分な数の移植毛を採取する場合、広範囲の頭皮から採取する必要がある。
FUTでは後頭部や側頭部の真ん中辺りの、AGAの影響を受けない箇所からしか移植毛を採取しません。
一方、FUEでは、多くの移植株を採取しようとすると、正常な範囲を逸脱して、後頭部の上の方からも採取しなければなりません。
つまり、AGAが進行した場合、せっかく移植した株が抜けてしまう恐れがあるのです。
それだけでなく、正常範囲を外れた場所が後にAGAの影響で薄くなり、手術の傷(丸い傷痕)が目立ってバレる恐れがあります。
(2)移植株の質がFUTほど良くない。
FUEは細い筒状の機器で一つ一つ移植株くり抜きますが、その時、移植株が切れたりして傷つく可能性があります。
なお、この欠点はロボット(ARTAS)ならある程度防げます。
(3)植毛手術を重ねるとFUEは手術痕が増えていきます。
例えば、最初のFUEで2,000株採取すると、2,000個の小さな丸い痕が残ります。2回目の植毛でも2,000株採取すると、しめて、4,000個の痕が残ることになります。
一方、FUTなら最初の傷は2回目の手術の時に消えてしまいます。たとえ、次の手術で切開した傷跡が長くなる場合があっても、傷跡は一つだけです。
(4)FUEでは大量の植毛をする場合、移植株を採取する箇所を刈り上げる必要がある。
これは仕事をしている人や人前に出る必要がある人にとっては手術直後は深刻な問題かもしれません。FUEの手術痕を隠すくらい周りの毛が伸びるには手術から10日から2週間かかります。
ただ、例外もあります。例えば1,500株くらいの比較的小規模のFUEならば、刈り上げることなく、髪の毛を伸ばしたまま手術することができます。
(5)“Capping”
移植株を引き抜く時に上の部分だけがとれてしまう恐れがあります。
これも、ARTASという植毛ロボットを使えば防げます。
(6)株採取が終わった後も顕微鏡下での作業が必要になることがある。
1本毛の移植株の数が足りない場合などそうです。
FUE法では、1~4本の毛からなる移植株を採取しますが、生え際に使うのは1本毛の移植株のみです。もし足りない場合は、2本毛以上の移植株を顕微鏡下で分割する必要があります。
(7)大量の移植株を採ると、採取した個所がスカスカになって、丸いポツポツした痕が見えてしまうかもしれない。
(8)長い目で見ると、傷跡が目立ち始める恐れがある。
FUTでもFUEでも後頭部に痕は残ります。FUTは線状、FUEは小さな丸いポツポツ、で形状が違うだけです。
もしAGAが急激に進行して(波平さんみたいになって)しまった場合、FUTなら線状の痕はまだ隠せる可能性がありますが、FUEの場合、時にAGAの影響を受けやすくのちに薄くなる可能性のある個所からも移植株を採ってしまうため、「ポツポツ痕」が見えてしまう恐れがあります。
めったにない例ではありますが、後頭部や側頭部までもが想定以上に薄くなってしまった場合は、FUTの線状の痕でも見えてしまうかもしれません。
(9)一度にできる植毛数が限られます。
FUEのように1本1本移植株を引き抜いていく作業は、頭皮を切り取ってしまうFUT法に比べスピードが遅いので、移植株数が多い場合2日間にわたって手術が行われることがあります。
一方、FUTの施術はいくつかの作業を並行して行うことが出来ます。
例えば、多くのスタッフ(看護師)が切り取った頭皮を数百、数千の移植株に切り分けている間、並行して、医師は植える側の頭皮に溝(レシピエントサイト)を作る作業を行うことが出来ます。
他方、FUEでは、移植株は一つ一つ採取され、それが終わって初めてレシピエントサイトを作る作業に移ることが出来ます。
結果、FUEの施術は長時間になってしまいます。
(10)FUEでは、採取した株を長時間、体外で保管する。
ただし、2日間に分けて施術を行えばある程度リスクを軽減できます。また、事前に植える箇所に溝を作っておけばある程度時間を短縮できます。
(11)FUEはFUTより治療費が高額になる。
FUEの方が時間がかかり、その分、労力も増えるからです(但し、ロボットを使えば安くできます)。
全体的にこの先生は「FUT推し」のように見えますが、一方でこの先生はFUEを世界に広めた人で、最近ではロボットFUEの世界一の権威です。
そういう意味では、これ以上、中立な立場の意見はないでしょうね。
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