世界中でAGA治療に使われるプロペシアの生まれた背景はこう説明されることが多いです。
これ、"間違い"だそうです。アメリカの毛髪再生医療の権威、コロンビア大学医学部教授のバーンスタイン氏が説明してくれてます。
プロペシアは元々前立腺肥大症の薬だったんですか?
2006年8月21日
Was Propecia Originally for Treatment of Prostate Enlargement?
質問
プロペシアは元々前立腺を縮小させる目的で使われていたと聞いたんですが、本当ですか?
回答
プロペシア(フィナステリド1mg)が元々前立腺肥大症の治療薬だったのが、たまたま副作用で発毛効果が確認されたもの、というのは事実ではありません。
抜け毛を止め、発毛を促すことが出来る可能性がずっと前からわかっていた薬です。
確かに、フィナステリドは最初前立腺肥大症でFDAに承認されましたが、メルク(プロペシアを開発したアメリカの製薬会社)は開発前から次のような事実に着目していました。
Ⅱ型の5α還元酵素が生まれつき欠損している家族がいて、その家族の男はみな、前立腺疾患もないし、禿げてもいない。さらに、その酵素がなくとも何ら健康上の問題は起きなかった。
メルク(プロペシアの製薬メーカー)は、この元々存在していた”生まれつき欠損家族”をモデルとして、Ⅱ型の5α還元酵素を阻害できる薬剤の開発を始めました。それが後のフィナステリドです。
最初の適応症を前立腺肥大症にした理由は、この薬が出る前、前立腺肥大症で承認されている治療法は外科的手術しかなかったからです。そのため、メルクは、必要性の強い前立腺肥大症治療薬としてまず開発を進めることにし、男性型脱毛症(AGA)治療薬としての開発を後回しにしたんです。
この時メルクは、フィナステリドが安全であり、問題なく前立腺肥大症の治療薬として承認されることを分かっていたと思われます(なぜならそういう家族が"自然界"に元々いたので)。
この薬は最初、1991年にプロスカー(フィナステリド5mg)という商品名でFDAに申請され、1992年にその適応症が認可されました。この薬が、AGA治療薬のプロペシア(フィナステリド1mg)として申請されたのは1996年、承認されたのは翌年1997年でした。
この話のポイントは、僕にはここでしたね。
フィナステリドの阻害する酵素を生まれつき持っていない人が世の中には存在していて、その人たちは何ら健康上、問題がなかった。
これを知って、副作用への不安が和らぎました。僕自身は副作用は起こってはいませんが、性的な副作用のことがずっと頭の片隅にありましたので。
それでも心配ならこのサイトの他の記事も見てください。関連する医学文献を掲載しています。もちろん、実際たくさんの患者を診てきたAGAクリニックの医師に聞くのが一番ですが。
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